日本の農薬基準は世界一緩い?
●日本の農薬残留基準は世界一緩い?
日本の農薬の残留基準は世界一緩いので、日本の野菜は農薬まみれ、
といった論調をしばしば目にします。
確かに、けっこう緩いのもあるよね。
ただし、すべての作物ですべての農薬で、ではありません。
だから、簡単に「世界一緩い」なんていう言説は、
疑うべきでしょう。
ひとつでも日本のほうが厳し例があれば、ウソになりますから。
日本のほうが厳しい例もあります。
あと、最近、アメリカの圧力で日本の農水省、厚労省が
農薬の基準を緩めているという話。
ずっと安倍政権が長かったので、ありそうな話ですが、
安倍政権を批判する論調は見たことがない。
あくまで、農水省、厚労省どまり。忖度かな?
確かに、ある農薬の残留基準が複数の作物で、
緩くなっている事例あります。
なぜかは、わかりません。
いままでの濃度では効かない虫や病気が出てきたかもしれません。
でもね、緩くなったからといって、
農家が薬の量を2倍にして濃く散布するか、
しません。
薬代倍かかります、自分にも濃い農薬浴びる可能性あります。
いままで2回のところ、4回にするでしょうか?
これも薬代2倍、労力2倍かかります。
野菜の値段が倍になるなら
そうする農家もいるかもしれませんが、考えにくい。
ドイツのアウトバーンでは、制限時速はなく、
いくらでもスピード出せるようですが、
特別に事故が多いという話も聞きません。
●実際の検出量はめちゃ小さい
この表は、「農薬概説2021」からです。
ADIという、一生の間、ずっと毎日食べても影響ない量と、
実際に検出された量です。
原体として、590種類あるうちの19種だけですが、
右端のADI比は、一番高くて9.66%(上から4行目:イミシアホス)、最小で0.0001%です。
イミシアホスは野菜類のセンチュウ対策で使われる農薬で、
稲や果樹には使いません。
だからすべての作物から摂取するわけではありません。
だから、基準が緩い、緩くなったからといって、
直ちに、口に入る量が増えるわけではありません。
ヒコーキ事故で死ぬ確率が9ppmですが、
多くの人が自分の乗るヒコーキだけは、落ちないと信じて乗ってます。
もちろん、ヒコーキだけは、絶対乗らないという生活態度も
尊重します。
まったくゼロのリスクは存在しない以上、
そこまで心配しなくていいかな、
と私は思っています。
●農薬は調理によって取れるの?
野菜についている農薬は、洗えば取れるのか?
その質問に対する答えが、この表です。
水で洗うだけで7割近く、減っている例があり、
お米は炊くと約半分になります。
えー、炊いても半分も残るの?
ただ、これもそもそも、残っている量が超微量からのスタートなので、
ま、いいかと思うしかないですね。
絶対落ちないヒコーキがない、と同じです。
ヒコーキ事故で死ぬ確率は100万回に9回です。1回目で十分です。
私は福岡にいるころ、毎週のようにヒコーキで鹿児島行ってました。
往復2回×50週×4年=400回、落ちずにいます。
個人や会社の旅行で50回くらい乗って、合計450回。
あと99万9,500回分乗れますが、落ちるその1回がいつくるのかは、
誰にもわかりません。
でも、コロナが収まれば、ヒコーキ乗ってボルネオ行きたいな。
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by 長野県農薬管理指導士、農薬会社勤務30年
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