生き物写真館

長野県山ノ内町、志賀高原、栃木県小山市、海外などで 出会った生き物を中心とした写真館です。 野鳥、昆虫、花、などの写真を撮影情報とともにお伝えします。 撮影テクニックやカメラについても書いてます。

信州の自然

りんごの残留農薬の真実、農薬メーカー元社員が語る

2019/06/01

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結 論

りんごの残留農薬は果実に比べれば皮に多いが、

いずれも基準値以内の
微量なので食べても問題ない。

皮をむいても、むかなくても大勢に影響なし。

どのくらい、微量なのかは、以下で

述べました。

ppmというわかりにくそうな単位も

おカネで考えると身近になります。

それでも気になる、という方は、

日本の農作物は食べてはいけません。

りんご農薬 果実と皮 残留 で検索

で検索してみたら、

私のパソコンでは面白いふたつのサイトが出てきました。

ひとつは、福岡市福岡市食品衛生検査所のデータで
こちらです。

リンゴの皮と実で残留農薬量を比べたら 福岡市食品衛生検査所

もうひとつのサイトはこちらです。
個人のブログのようなサイトです。

2017年版|残留農薬が多い、危険な野菜&果物ランキング・50

ひとつめ

福岡市食品衛生検査所のデータ

農薬成分名 検出率 果実全体 果皮 果肉
アセタミプリド 1/3 - 0.11 -
クレソキシムメチル 3/3 - 0.003~0.36 -
シハロトリン 1/3 - 0.21 -
シフルトリン 1/3 - 0.32 -
シフルベンズロン 2/3 0.002~0.004 0.13~0.39 -
トリフロキシストロビン 1/3 0.003 0.35 -
ピラクロストロビン 2/3 - 0.003~0.08 -
フェンプロパトリン 1/3 0.13 0.69 -
ボスカリド 2/3 0.01~0.004 0.12~0.31 -

単位:ppm、-は、検出せず。

りんごの皮と実で残留農薬を比べたら

まとめ、としてつぎのように結論づけています。

「農薬の性質によっては果肉から検出される可能性も考えられますが、

今回実験した176農薬では、
皮をむいて食べることが、農薬の摂取量を減らすことが
できる有効な方法の1つであることがわかりました。

なお、今回検出された農薬は、
食品衛生法に規定された検査部位(果実全体)では、
全てが農薬残留基準に適合しており、
また、最も高濃度であった果皮でも健康
を損なうおそれがない濃度でした。」

私のコメントは以下に述べます。

果皮に残った農薬で一番残留量が多かったのは
フェンプロパトリンで、商品名ロディー水和剤です。
これは、元わが社でも扱っていた農薬です。
懐かしい。

この農薬は
りんごでは収穫前日まで使うことができる、
農家にとっては使いやすい農薬で、
害虫防除のために使う殺虫剤です。

で、その残留農薬量(割合)は、というと、
果皮から0.69ppmです。
果実全体では、0.13ppm、
果肉からは検出しておりません。

果皮の残留農薬は0.69ppmと
果実全体の0.13ppmの約5倍残留していることが
わかりました。

フェンプロパトリンは、
今回検出された農薬9種のなかでは
一番残留量が多く、
他の農薬の5倍から10倍の量でした。

他の農薬も「果肉だけ」からは検出しておりません。
9種類載ってますが、すべて果皮からの検出です。

果実全体の残留農薬は、
果皮の残留農薬の5分の1~10分の1くらいです。

176種も調べて、9種しか残留していません、それも皮ばっかり。

りんご畑で農薬を散布する機械:スピードスプレイヤー ↓↓↓

ppmという単位について

ここで、ppm(ピーピーエム)という単位のことを
考えてみましょう。

ppmは、割合、率の単位であり、秤で計れる
実体のあるものではありません。

大気汚染や、水質汚染などのニュースで
見かける単位です。

あくまで、分母と分子の数字が必要な、
割合を表す単位です。

似たような単位では

一番よく使うのがパーセントですね。

part per centigrade 百分率(%:パーセント)。

これに対し、ppmは

part per million 百万分率(ppm:ピーピーエム)です。

要するに100万分の1を、1ppmというだけです。

100万円のうち1円が1ppm、急に身近に感じませんか?

長さでppm

長さで1m(メートル)を基準とすると、
1,000倍が1km(キロメートル)。

1mの1,000分の1が、1mm(ミリメートル)。

1km(キロメートル)の百万分の1である
1mm(ミリメートル)が1ppmです。

1キロに対する1ミリです。

キロは千倍の接頭辞、ミリは千分の1の接頭辞で、
ゼロ3つ(10の3乗)ごとにコンマを入れます。

10のマイナス6乗=100万分の1が、1ppm。

重さでppm

重さなら
1kgに対する1㎎

1トン(1,000kg)に対する1gが、1ppmです。

体積、容量でppm

容量なら
1,000リットルに対する、1ml(ミリリットル)が、1ppmです。

1リットル牛乳パック1000個に対する、1ml(小さじ5分の1)が1ppmです。

ppmを%で、あらわすには

当然、%でも表せます。

1÷100万なので、0.0001%=1ppmです。

100%=100万ppmです。

逆なら、100万ppmを%で表すには、
ppmの前の数字を1万で割って100%。

1万ppmなら、1%です。

受験生をお持ちのお母さんなら
予備試験で合格率70%の学校なら、700,000(70万)ppmです。

100万人受けて、70万人受かる確率です。

えらく受かりやすくなったような気がしませんか?

息子さんや娘さんに言ってあげましょう。

さらに勉強するようになるか、サボるかは
わかりませんけど(笑;)。

農薬以外で鳥からりんごを守る↓↓↓

猛禽類の凧が風にゆれて、鳥をおどかす。

おカネでppm

こうして、普段はなじみのないppmという
単位も何回も練習すると
頭に入り、腑に落ちる感じになってきます。

さらに、

ちょっと、現実的に、考えると

普通預金の金利は、0.001%ですから、
10ppmです。

100万円1年預けて、おろすとき100万円と10円くれます。
その10円が10ppmにあたります。

単位を「円」にして、金利という言葉とセットにする、
ぐっと身近に感じませんか?(笑)

で、一番たくさん残留してたフェンプロパトリンの
りんごでも残留基準は5ppm、

でも、実際に残ってた残ってた量(割合)は、
基準を大きく下回って、多いほうの果皮で、0.69ppmです。

100万円に対して、0.69円です。1年後の利子額です。

りんごの皮だけ1キログラム食べると
0.69ミリグラムのフェンプロパトリン農薬
食べることになるけど、心配でしょうか?

皮だけ1キロですよ!!

果実全体食べるときは1キログラムでは、
残留農薬は0.13ミリグラムです。

りんご一生食べてもいい量から
5ppm(割合)と決められています。

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りんごだけから摂取していい量(割合)ppmと mg(重さ)

で、フェンプロパトリンの残留基準値を調べると
5ppm(割合)であることがわかりました。

こちらのサイトです。

フェンプロパトリンのりんごでの残留基準 ppm 日本食品化学研究振興財団HP

一生りんごから食べてもいい量(割合)です。

一方で、フェンプロパトリンを一生食べ続けても健康に影響が出ない。
一日あたりの最大摂取量(ADI、といいます)

0.026㎎/kg/日と決められています。

単位は、割合を表すppmでなく、重さをあらわすmgです。

精密な秤があれば、重さとして計れます。

この値は、フェンプロパトリンの
使える作物(りんご、かんきつ、なし、ぶどう、ももなど)含め全部で、です。

フェンプロパトリンの一日最大摂取量 mg 国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)HP

体重60キロの人なら、0.026㎎×60キロ=1.56mg

まで食べてもいいという計算なります。

1.56㎎=0.00156g なので、

0.00156g÷5ppm(0.0005%)=312g となり、

(5ppmはりんごに残ってていい割合)

中玉りんご(300g)を毎日1個食べたら、

残留基準オーバーとなってしまます。

5ppm残っているりんごを食べたら、ということです。

でも、ご安心ください。

これは計算上の話であり、

実際には、りんご300gに対し、
果実だけなら検出なし、
皮を含めても0.13ppmですから、

重さになおすと、300g×0.000013%=0.000039g=0.039㎎

基準値1.56㎎には、到底及ばず、

1.56÷0.039=40となり、

1日に皮つきで40個食べないと基準値の農薬まで届きません。

1日1個でも、夏場も含めての話なので
1か月毎日3個食べても問題なしの量なのです。

ほかのものでは、医薬用外劇物である塩素が
水道水の消毒のために
水道水1リットルあたりに0.1㎎入れるよう決まっています。

0.1ppmです。
りんご果実のフェンプロパトリン0.13ppmです。

りんごよりも水道水のほうがよほどたくさん
口に入りますが、
これは水道法という法律で決まっています。

水泳選手は塩素の入ったプールで
長時間泳ぐので髪の毛の色が抜けるといわれます。

そんな劇物の入ったプールという環境で
競技を続けながら
塩素の急性毒性のために
体調崩したという話はききません。

要するに、農薬に限らず
化学物質とのつきあいは、
常に量の概念とセットでないと、
何でも危険、何でも安全になってしまいます。

もう一つのサイトを検証する

さて、もう一つのサイトを
検証していきます。

こちらです。

2017年版|残留農薬が多い、危険な野菜&果物ランキング・50

アメリカの環境保護団体が出したリストだそうです。

残留農薬の多い作物リスト

いちご、ほうれん草、ネクタリン、りんご、桃、
梨、さくらんぼ、ぶどう、セロリ、トマト

トップテンのうち、果物が6種、いちご、トマトという
果菜類が2種とまずまず予想どおりの結果です。

でも、量に関する概念がゼロなんです。
この記事は全部。

ただ、不安をあおるだけ、です。

凶悪な殺虫剤「ペルメトリン」
683のほうれん草のうち75%に含まれていた

どのくらい含まれていたのかは、わかりません。

商品名はアディオン乳剤は普通物です。

ほうれんそうでは、3000倍、収穫21日前まで、2回以内

が使用基準です。

フェンプロパトリン(ロディー水和剤)と
同じ住友化学で作っています。

対策はおなじみ、つぎのとおり

オーガニック栽培や減農薬農法の野菜や果物を買うこと。
調理前に残留農薬を落とすことです。

おすすめの洗剤で洗う。

※現実には特別栽培の野菜は
全体の1%以下の流通量しかない。

洗剤は、すべて自然素材でできている。
ミネラル水
ハーブエキス(青森ヒバエキス・オレンジエキス)
大豆レシチン
貝殻
発酵物質(EM発酵物質)

そして刺激的な言葉と写真

アメリカ以上に農薬を乱用する国日本

日本はアメリカを凌ぐ世界一とも言われる農薬大国

※アメリカとの比較は別記事にします。

さらに、こちらの記事ではおすすめの洗剤で
農薬落ちたと宣伝している。↓↓↓

写真あり│ベジセーフで色々な野菜・果物を洗った効果。農薬がこんなに…

ベジセーフをかけてから、
落ちてきた液体を農薬だと信じているようだが
どこにもその説明がない。

色のついた液体はそれぞれの野菜の色素だと思う。
農薬だという証明も説明もありません。

ppm単位の量なのに、
こんなに色がついた液体となるとは
到底思えない。

これじゃ、書いてる本人も
不安で、食べるもんなくなっちゃうよ。

まとめと超脱線

りんごの残留農薬について
考えてみました。

果肉よりは果皮のほうが残留量は多いが
いずれも微量で問題なし。

それでも、気になるというあなた、

100万円持っていない人が、10ppmの金利か、
50ppmの金利かで、どこの銀行預けるか
迷っているようなもんです。

仮に、1億円預けた銀行の金利が10ppmなら、1000円が利子、

50ppmの銀行があれば、5000円の利子がつきます、1年後。

50ppmの銀行に預けなおすには1億円引きだす必要があります。

引き出さずに他行への振り込みすると、手数料だけで
差額の4000円くらい吹っ飛びそうです。

銀行の窓口で1億円引きだすとなると、
奥の部屋につれてかれて、自分のおカネなのに
何に使うかとか、きかれますよ、きっと。

1億引き出したことないけど、100万円くらいで
きかれましたから・・

そうすると、銀行行くまでの交通費(ガソリン代)、
時間、いやな気持になる、1億持って歩くリスクなどで
差額の4000円分吹っ飛びます。

残留農薬の単位、レベルって、この程度なんです。

それでも気持ち悪いと思うのであれば

りんごも他の果物も食べてはいけません。

銀行の普通預金の金利0.001%=10ppmです。

定期預金でも、0.1%、100倍の1000ppmです。

でもね、こちらが借りるとなると、

例えばマイカーローン2.5%とかです。

それも、給与口座、カードローン口座、ネット口座など

つくっての話、何もしないと平気で5%くらいです。

2.5%÷0.001%=2,500倍

なんと、こちらが預けるときは0.001%なのに

こちらが借りるときは2,500倍の2.5%です。

銀行の商売、スゴイですよね。

だから、どこでも駅前に銀行建つんですね。

職員の給料もいいみたいです。

で、この話、ついこないだ、初めて会った銀行員に

降ってみたら、銀行だっておカネ借りて貸すんだよ、だって。

そうか、銀行は、りんご農家がりんご作るのと違って、

お札印刷してるわけじゃないからね。

お札印刷できるプリンターあったら買いたいです。

100万円でも買うよ。

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