生き物写真館

栃木県小山市で朝の散歩中や長野県・海外などで出会った生き物を中心とした写真館です。 野鳥、昆虫、花、などの写真を撮影情報とともにお伝えします。 撮影テクニックやカメラについても書いてます。

よもやま話 信州の自然

農薬使う無農薬りんごについて---有機JAS、特別栽培の怪--農薬メーカー元社員が調べる

2019/07/03

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先日は、りんごでは無農薬栽培がむずかしい理由を調べました。

今回は、私のパソコンで「無農薬りんご」で検索して

出てきたサイトについて調べてみます。

この検証は、昨年もやっていますが、

1年以上たっているので、変化があるかもと、

思い、やってみました。

出てきたのは、このふたつのサイトです。

NO.1 農薬化学肥料不使用のりんご (秋田県)INYOUMarket
http://inyoumarket.com/organic-ringo/

NO.2 農薬を一切つかってないりんご 大湯ファーム(青森県)
https://www.ooyufarm.com/fs/apple/c/munouyaku
こちらについては、別記事にしました。

農薬を一切つかってないりんごについて、---農薬メーカー元社員が調べる

りんごの果実についたユキヤナギアブラムシ 2019.6.14
りんごの果実についたユキヤナギアブラムシ 2019.6.14

NO.1 農薬化学肥料不使用のりんご (秋田県)INYOUMarket

INYOUMarketは、有機農産物などを宣伝販売する会社のようです。

有機JAS適合の薬剤や木酢を使用し、
とうとう見た目も慣行栽培にも劣らない
味は無農薬りんごに勝る美味しくて

見た目の良いりんごに育ちました。」


ここでも、木酢は大人気のようですね。
木酢の危険性については、別記事で書きます。

「味は無農薬りんごに勝る」って、無農薬りんごじゃないの?

農薬不使用=無農薬でない、ことはこのサイト運営者は
知っていそうです。

「農薬を一切使わないことに
こだわり続けたかったのですが、
私が目指す、味への追求とともに
見た目も大切だと思ったのです。」

この文章のなかの、「」というのは何なんでしょう?

有機JASで認証を受けている薬品は全て自然由来。
 農林水産省が認定している安全性の高い薬剤を一部使用しています。」

「有機JAS適合の薬剤」や
「有機JASで認証を受けている薬品」、
「農林水産省が認定している安全性の高い薬剤」
というのは何のことでしょう?

このように表現されいる薬剤、薬品というのは、

れっきとした「農水省の農薬登録のある農薬
のことではないでしょうか?

巧妙に肯定的な場合だけ「農薬」と
いう言葉を避けています。

むしろ「農薬という言葉」だけを
恐れているような気がしてなりません。

もし「農薬」であれば、
食品偽装、虚偽広告、優良誤認広告です。

具体的に薬剤名とか薬品名を書いて、
ほら農薬じゃないですよ、
と明記してほしいですね。

農薬でない薬剤や薬品と
いうのは何なんでしょう?

純品の試薬や工業用の薬品でしょうか?

むしろ農薬ならば、
りんごでの使用時期や希釈倍数など
明記されておりますけど、

試薬などでは農業用に使うことを
想定していないので何も書いてないでしょう。

たぶん、値段も高いでしょう。

そんなものをりんごに
散布していていいのでしょうか?

りんご斑点落葉病
りんご斑点落葉病

「今年も無事にりんごが実り、
正式な農薬化学肥料不使用の認証もいただきました。」

「りんごが出荷基準を満たし、
念願の農薬化学肥料不使用を証明する、
「特別栽培農産物」認証を
受けることができました。」

「全く農薬を使わずに虫の穴だらけのりんごは
 確かに安心です。」

このなかに農家の名前、兎澤(とざわ)さんが出てきたので、

「兎澤 無農薬りんご」で検索したら

つぎのページがでてきました。

ブログ記事では、農薬使用を暴露!!

秋田の小さなりんご園から
http://akita-tozawa.seesaa.net/article/443628142.html

HPとは別のブログ記事です。

防除のための資材は有機JAS栽培で認められている農薬のみです。
その有機JASの定義について秋田県で
特別栽培を管轄している担当の方に電話で聞いた所、
簡単に言うと人体、環境、生物に影響のない薬剤ということだそうです。

農水省で登録されている有機JAS薬剤のみ認められ、
数十種類あるなかで当農園が使用しているのは今年は5種類です。

木酢は使っていません。

有機JAS栽培で認められている農薬のみ」だが、
れっきとした農薬ですね。

「人体、環境、生物に影響のない薬剤」

と言い訳しているけど、農薬であることは間違いありません。

こちらでは、木酢は使ってないことになってます。

「生物に影響ない薬剤」であれば
 病害虫にもぜんぜん効かないことになり、
 なんたのめに使っているのか、
 ぜんぜんわかりません。

要するに病害虫の防除のためでしょう。

5種類ということなので、
こんな感じでしょうか?

石灰硫黄合剤(ふらん病)、
マシン油乳剤(ハダニ類)、
硫黄水和剤(イオウフロアブルなど)(うどんこ病)、
銅水和剤(黒星病など)、
BT剤(ハマキムシ類など)

まあ、5種類だけでりんご作りするには苦労もあるでしょうけど、
農薬使っているのに「無農薬」は、ないでしょう。

これらの農薬は、いわゆる化学合成農薬とは異なり、
有効成分は天然物や天然物由来なので、
有機JAS規格でも使用を認めています。
その農産物には、農薬使用表示の義務もありません。
だから、極端に言えば使い放題です。

だからといって、積極的に、
「無農薬栽培」だと宣伝するのは
いかがなものでしょう?

主成分は天然物といっても、100%のものはなく、
必ず乳化剤や増量剤が入っており、
それらは化学合成品であることもあります。

それにしても、こういうりんごを農薬不使用栽培として認める制度そのものが
オカシイとしかいいようがありませんね。

かえって、有機JAS規格のザル加減を宣伝するよい例にはなりますね。

さらにこういうサイトが出てきました。

使ってはいけない「無農薬」表示なのに・・・

秋田の無農薬りんご 果実庵とざわ
http://akitanoringo.web.fc2.com/
ご本人のHPのようです。

秋田 無農薬 農園 JAS有機規定無農薬認証のりんご
https://www.munouyaku.net/orchard/
こちらは、滋賀県にあるこのりんごの販売業者のようです。

まず、無農薬と表示するのはダメだというのに、
HPのトップや説明文では無農薬栽培などと書いています。

なのに、農薬不使用栽培で秋田県の認証機関から
特別栽培農産物として認められている、という。

ようするに有機JAS規格で使える農薬を使っても表示の義務もないので
だんまりを決め込むのならまだしも、
無農薬だと積極的に宣伝しています。

これは悪質です。

食品偽装、虚偽表示、誇大広告、優良誤認広告などにあたるでしょう。

消費者に誤解を与えかねない、なんて生易しいものではなく、

むしろ誤解してもらうように書いているとしか思えません。

使っているなら使っているで、キチンと表示して、

表示の義務はないけれども、こういう情報も積極的に開示して

消費者の理解を得たい、と心意気を示していただきたいと思います。

業者の方は、何も知らずに農家の言い分を信じているのか、

知っていて「無農薬」を標榜しているのかは、

わかりません。

有機JASと特別栽培農産物表示のオカシサ・・・・秋田県の場合

有機JASについて

有機JASは、有機農産物の生産方法に関する話であり、

とれた生産物に関する安心安全の保証ではありません。

ましてや、無農薬を保証しているわけでもない。

有機JAS認証農薬が30種以上(商品名では100種超)ある。

有機JAS認定=無農薬農産物、ではない。

これとは別に

特別栽培農産物という制度があり、

特別栽培農産物とは

農薬・化学肥料の使用レベルにより、農薬については

つぎの2段階の表示をする。

1、農薬不使用

2、慣行栽培比半分以上減(その割合を表示)

ここでくせ者なのが、農薬の中にもつぎのように

二つにわかれており、

A:一般化学合成農薬=節減対象農薬

B:有機JAS認証農薬=主に天然物有効成分の農薬

最初の農薬使用レベルの話は、

A:一般化学合成農薬=節減対象農薬だけであり、

B:有機JAS認証農薬=主に天然物有効成分の農薬については、

何回使っていても、表示義務もないし、

「農薬不使用」と表示してもいい、

「農薬不使用」認証マークも貼れるというのです。

ただし、どちらも「無農薬」表示はダメです。

近隣の畑から農薬飛んできてるかもしれないからです。

非常に誤解を招きやすい表示であり制度ですね。

特別栽培農産物(コメ)の表示例 ↓↓↓

節減対象農薬は当社比5割減だが、
有機JAS認証農薬については、
使っていても表示義務なし。

表示だけでは、有機JAS認証農薬使用有無はわからない。

特別栽培農産物表示例(コメ)
特別栽培農産物表示例(コメ)

有機JAS認証の農薬の一例:マシン油乳剤(商品名:スプレーオイル)

スプレーオイルは、
マシン油97%と乳化剤などで構成される農薬で、
有機JAS認証制度ができるはるか前から農薬として使用されています。

ほかの会社からは同様の製品として、
トモノールS、アタックオイル、ハーベストオイルなどが販売されています。

ハダニ類やカイガラムシ類に対する殺虫剤で、
りんごでは、おもに葉っぱが茂る前の時期に使います。

有機JAS認証の農薬だからといって、
適用のない作物に使うことはできません。

スプレーオイル適用表

マシン油乳剤 商品名スプレーオイル 有機JAS認証の農薬
マシン油乳剤 商品名スプレーオイル 有機JAS認証の農薬


適用内容 ↓↓↓

作物名、害虫名、希釈倍数、散布液量、使用時期などが決まっている。

作物ごとに希釈倍数や時期が決まっている
作物ごとに希釈倍数や時期が決まっている

ちゃんとした農薬には農林水産省登録の文字と番号が入っている。↓↓↓

主成分とその量(%)の表示も義務付けられている。

農林水産省登録番号入ったちゃんとした農薬
農林水産省登録番号入ったちゃんとした農薬

秋田県特別栽培農産物表示規程

特別栽培農産物表示ガイドライン農水省

ここまでをまとめると

有機JAS規格では、農水省の登録農薬の中で

主に天然物が有効成分の30種類以上(商品名では100種超え)の農薬について

使用可能としている。

これら農薬は、特別栽培農産物の表示ガイドラインでも、

表示義務もない。ガイドラインでは「無農薬」表示を禁じている。

秋田県では、こういう農産物も「農薬不使用栽培」と認める。

ここまでは、事実です。

だからといって、

積極的に、「無農薬」を宣伝することは、

詐欺、優良誤認広告、誇大広告、虚偽表示、食品偽装に

あたると私は考えます。

消費者や、業者(INYOUMarketや滋賀県の方)への裏切りである。

それとも業者もグルなのか、まではわかりません。

節減対象農薬不使用(有機JAS規格認証農薬使用)と書くべきです。

全部のまとめ

●有機JASが認証している薬剤は農薬である。

●特別栽培農産物認証では、有機JAS認証農薬はカウントされない。
 表示義務もない。

●節減対象農薬不使用だからといって、
 有機JAS認証農薬は使っているため
 「無農薬」りんごの表示は不適切である。
●ガイドラインでは、本当に農薬不使用でも「無農薬」と表示できない。
「農薬不使用」などなら可。
「無農薬」では、
 近隣の畑から飛んできて残留している農薬があるかもしれないから。


さらなる提案

さらに、ほかに使っている資材があれば、
りんごの木に直接散布するしないに限らず、
りんご畑に投入している資材
(肥料はつかっていないと書いてますが)についても、
商品名、会社名、成分名、成分量(%)、希釈倍数、
使用(水)量、 薄めないタイプなら投下量、回数なども、
1月から12月まで順番に書いて、
HPでオープンにするべきだと思います。

●秋田りんごのブランド低下の前に、
 適切な表示、宣伝方法に気づいていただければと思います。

NO.2 農薬を一切つかってないりんご 大湯ファーム(青森県)

こちらのりんごについては、長くなるので、

別記事にしました。

農薬を一切つかってないりんごについて、---農薬メーカー元社員が調べる

筆者プロフィール

昆虫少年から大学は農学部の昆虫学研究室に入り、
卒論はみかんのアブラムシ。

大学卒業後農薬会社の研究所をスタートに
本社、仙台、福岡、関東、長野などで
技術普及と営業で合計31年超勤めた。
畑での実験が大好き。

娘が小さいころ、
パパのお仕事は植物のお医者さん、
と言っていた。

関連資格:農業改良普及員、農業高校教員、
毒劇物取扱責任者、農学士

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