【 農薬使用量比較の無意味さ 】
2022/03/28
目次
●日本は農薬大国、世界有数の農薬使用量???
単位面積当たりの成分重量グラフ見て言う人います。
実際は10位くらいなのに1位とか2位とかいうのは、
まず間違いです。
銅メダルの人が、金メダルというのと同じ、
ウソ、デマです。
●いちご農薬で比較してみる
いちご農家で、農薬管理指導士の資格を持つ方が、
いちご農薬の安全性をアピールしてました。
ひやひやしながら見てて、
以下の農薬使ってると表明してます。
ミヤコカブリダニ、サフオイルなど
1,ミヤコカブリダニ
これは生きている虫で、いちごにつく悪いダニを
食べてくれるいい虫です。
生きたまま売ってて、これも「農薬」です。
私の会社でも似たような虫売ってました。
10アールあたり2000匹から2万5000匹ばらまきます。
こんな虫の体重を計って「使用量」の多少を比べる
バカバカしさ、わかりますよね。
2,サフオイル
成分は調合油(サフラワー油および綿実油の合量として) 97.0%です。
10アールに
300倍 300Lを散布すると成分は970ml、比重1として、970gです。
3,毒物 プリグロックスL その農家が使っているとは言ってない
一方で、
長野県基準に載っている769種類ある農薬のうち
唯一の「医薬用外毒物」除草剤、プリグロックスLには、
2種類の成分合わせて12%入っています。
10アールに、原液1リットル散布すると、
120gです。
※除草剤は薄める水の量関係なく、投下量で考える。
ただ、除草剤なので、いちごに直接かけることは
ありえず、いちご果実に残留することも
ありません。
10アール当たりの成分重量比較では
1,虫の体重 仮に10g
2,ほぼ食用のような油 970g
3,製剤として毒物 120g ただし、作物にかけない。
これで、2が一番重いから危険なのでしょうか?
1,も3も無視してよいレベルでしょう。
こんな値の合計値を国際比較して、
何になるのでしょう?
まあ、これは極端な例ですが、
商品名として4000種もある農薬を重さで比べるというのは、
こういうことです。
●そもそも使用量とは?
一般的な農薬は、確かに、農協や道の駅に、
その種類名、使用量など報告している例がありますが、
とても全部とはいえないでしょう。
ほかにも、家庭園芸用の噴霧農薬も、
買ってきたときから何回噴霧したか、
使用後に重さ測って報告してる人いるんですかね?
どこに報告するんでしょう?
一般的な農薬は、確かに、農協や道の駅に、
その種類名、使用量など報告している例がありますが、
とても全部とはいえないでしょう。
いいとこ、メーカーの出荷量くらいが、
まずまずの信用できそうな値だと思います。
重さが大きいから作物残留が多いわけでも、
大きいから危険、というわけでもありません。
単位面積当たりの成分重量国際比較の
バカバカしさについて、
考えてみました。
まとめ
・単位面積当たりの成分重量の比較は無意味
・重いほど危険とか毒性が強いわけではない。
・重いほど作物残留量が多いわけでもない。
・国や地域によって、作物も農薬の種類も異なるのに
合計値で比較する意味がない。
そもそも、使用量という数字は正確に把握できてない、と思う。