意識高い系?のコメントから
2022/03/22
ある農業関係のfacebookグループで、
いわゆる意識高い系?の方から以下のコメントがあったので、
解説します。
いちご農家さんとのやりとりです。
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私は農家さんではありませんが、農業塾で無農薬栽培を学んでいます。
貴方のおっしゃる予断と偏見を具体的に何に対してが教えて下さい。
日本は農薬大国。
世界中の農薬使用量の1番2番は韓国と日本です。ご存知でしたか?
農薬は見た目が綺麗な野菜や果物を作る為に虫を殺すだけの役割。
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以上、引用おわり。
目次
日本は農薬大国。
世界中の農薬使用量の1番2番は韓国と日本です。
まあ、これはよく見る言説ですが、間違いです。
あるサイトからの引用ですが以下のとおり、
日本は2010年11位、2016年16位です。


このグラフの、ある部分だけを切り取って以下のように
載せている本があります。


これは、銅メダルを取った選手が、金銀の選手はカットして、
自分だけ金メダル、のようなもんで、
恣意的切り取り、虚偽、デマ、誤報です。
これが農業塾で学んだ結果だというんです。
先生のレベルも疑います。
農薬は見た目が綺麗な野菜や果物を作る為に虫を殺すだけの役割。
これも一部を述べているだけで、農薬に対する理解が不十分です。
見た目だけでなく、「量」の確保に貢献する農薬
確かに見た目のきれいな野菜や果物を作るために使う農薬もあります。
ただ、見た目だけでなく、作物の生産「量」の確保のために農薬がはたしている役割も見逃してはいけません。
農水省のHPにも書いてありますが、
稲では約3割、りんごでは99%収量減となります。
1993年の平成の米騒動が2割減ですから、
3割減というと、 あれ以上ひどい状態が予測されます。
虫を殺す「だけ」ではない農薬

農薬の機能分類は、大きく分けて以下のものがあります。
殺虫剤:虫を殺す、来ないようにする。
殺菌剤:病気から守る。稲いもち病、りんご黒星病などの対策。
これらの病気はカビなので、虫と違って手で取るのは不可能。
除草剤:草が生えると、作物大きくなれません。
田んぼでは、以前は50時間かかっていた草取作業が、
除草剤のおかげで2時間程度になりました。
腰の曲がった女性が減った。
植物成長調整剤:ぶどうのジベレリンなど、種無しにするために使う。
このように、虫だけのための農薬というコメントはよくみかけます。

病気の野菜や果物はスーパーでも見かけないので、
致し方ないとしても、
都会の何も知らない消費者が虫だけのための農薬というのはわかりますが、
農業塾で学んでこの程度ですから、
始末が悪いですね。

見た目を悪くするのは虫だけじゃない
以下の写真のように、虫以外の生物、病気(カビ)も見た目を悪くする
原因の一つです。
こういうみかんも、となりにきれいなみかんが並んでいても、
「同じ」値段で買ってくれれば、
農家は農薬散布の手間や、農薬代を節約できるのですが、
なかなかそうはなりません。


まとめ
・日本は農薬大国、世界の1位、2位というのは間違いです。
・農薬は、虫のため、見た目のため、「だけ」じゃない。
・作物の「量」確保のために貢献しています。
・病気や草の防除にも大きく貢献してます。
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参考サイト
こちらのサイトからのグラフを引用しました。
https://agrifact.jp/lies-about-the-use-of-pesticides-in-japan/