生き物写真館

長野県山ノ内町、志賀高原、栃木県小山市、海外などで 出会った生き物を中心とした写真館です。 野鳥、昆虫、花、などの写真を撮影情報とともにお伝えします。 撮影テクニックやカメラについても書いてます。

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【TBS報道特集】「ネオニコ系農薬 人への影響は」を見て その7 トンボが減った?

2022/02/04

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アキアカネ
アキアカネ

●トンボ研究家
大浜祥治さんの話

こういうアマチュアの方の話は利害関係少ないため、
貴重な意見が多いと感じています。 
 
ネオニコ農薬の使用が始まった93年から
ウチワヤンマが突然減った。
他のトンボどうなのか?
ウチワヤンマだけなのか?
 
全国でも激減、グラフは富山県のアキアカネ。
 
グラフでは、88年にも、
えらく減っているが回復している(ネオニコ前)。
このくらいの変動は、生物を継続的に観察していると、
けっこうあります。
 
 
私も昆虫少年なので、トンボいてほしい派です。
調べたら、ネオニコばかりじゃなく、
フィプロニルもネオニコ以上にトンボに影響大きいようです。
 
なので、ネオニコだけ規制すれば、
OKではなく、
いや、ネオニコだけ規制した結果、
フィプロニルの使用が増えたら
トンボは帰ってきません。
ほかの農薬も同じで、トンボ増えても、
他の虫減るかもしれん。

カオジロトンボ@志賀高原
カオジロトンボ@志賀高原

ネオニコ減らし、フィプロニル減らして、
トンボが帰ってきたら、
稲の害虫のウンカやカメムシも帰っくる可能性もあり、
コメ農家は苦労しますので、
そうならないつぎの策を打つ必要があります。
 
JA佐渡では、ネオニコ抜きで
いまのところ、
うまくいっているようですが、
ウンカの少ない佐渡の例は、
ウンカの多い西日本では参考になりません。
 
いずれにしても、
ネオニコだけ規制すれば解決する問題では、
ありません。
 
私も正解がわかりません。

国立環境研究所の調べ

国立環境研究所が平成27年118ページにわたる報告を出しています。
ネットで見れます。
それによると、
やはりネオニコよりフィプロニルのほうが影響大。
以前のデータがないので、減ったといえるのか?
トンボ減少の要因は農薬もあるが、その他の要因もあるので、
農薬だけのせいとはいえない、という妥当な結論となっている。

アキアカネ
アキアカネ

私自身の感覚

私自身の観察では、以下の通りです。
トンボについて定点定量観測しているわけではないが、
写真対象としての増減は感じる。

2017年以降、
夏の志賀高原では多数のアキアカネは見かける。
ナツアカネはほぼいない。
ノシメトンボも少ない
昔は、空が黒くなるくらいトンボがいたという話を
聞いたことがある。
高山性のカオジロトンボやオオルリボシヤンマなどは健在なので、
これ以上の環境破壊はとどめたい。

2015年までの5年間程度、
栃木県小山市の水田地帯でも、
トンボは少ない印象は持っている。
周辺、雑木林ではアキアカネ、ノシメトンボはよく見かけた。
その雑木林は2017年頃伐採されて、
少なくともトンボを含む小動物にとって相当の影響が
あったであろう。

トンボに限らず、昆虫少年(いまはじいさん)の私でも、
タガメ、ミズスマシ、ゲンゴロウなど野生では
見たことない水生昆虫は、いまだ多く、
日本の安定食糧生産のために、
犠牲になっているであろうことは、想像つく。

日本経済発展のため、山や原野を切り開き、
高速道路や新幹線を通してきた。

農業も同じで、野生生物の居場所を破壊して、
単一の作物をたくさん植え、
食糧の安定供給に寄与してきた。

それが行き過ぎた面はあるかもしれない。

今一度、立ち止まって考える時期かもしれません。

ヤンマの一種
ヤンマの一種
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