農薬嫌いのブログ記事に反論してみる 農薬会社30年の経験から
2022/01/11
目次
はじめに
最近、知り合った方で、大阪の農家から野菜を仕入れて売っているという方がいます。
その方が、農薬についても気にされており、
私が農薬会社で30年以上働いた経験からのお話を
興味をもって聞いて下さる。
で、その方が、このサイトに書いてあることホントですか?
というので、検証してみました。
こちらのサイトです。
中国産はダメ、国産野菜を選択するという人へ。 もはや日本の農薬規制緩和は中国産野菜の残留農薬どころではありません
このサイトは私も知ってます。記事は2018年10月10日投稿なので初めてみましたが、
読む前からおよそ、いいたいことはわかります。
私も農薬会社に30年以上いましたから知識も経験もありますが、
すでに卒業した業界なので利害関係はありません。
特に農薬擁護論を主張するつもりもありません。
でも、こういうサイトの主張をそのまま信じるには中身がひどすぎると
感じることが多いです。
農薬の使用量は、作物、地域、国柄によって違う
まず、ふたつのグラフが出てきますが、
ちょっとオカシイのです。
元のデータは農薬工業会だというので、農薬工業会に電話してみた。
そーしたら、工業会まとめのデータではなく、
以下のリンクから引用のデータだという。
https://honkawa2.sakura.ne.jp/0540.html
折れ線グラフと棒グラフの値の単位は、
Kg/haで同じなのに、
折れ線グラフの方は、年間農薬使用量となっている。
棒グラフのほうは、
耕地面積当たり有効成分換算農薬使用量となっている。
製剤重量と有効成分換算値が同じとは、とてもオカシナ話です。
これでは、ビールの出荷量とその中に含まれるアルコールの出荷量が
重さで一緒というハナシです。
同じデータで、折れ線で年次変化を、棒グラフで2010年の使用量順に並べただけです。
トップ3の、中国、韓国、日本は水田の国です。
アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスは少ないと、コメントしてます。
日本の農薬使用量は、2000年16キロ/haから、2010年は12キロ/haに、
約4キロ減っています。
農薬使用量増により、自閉症が増えたとか、アレルギーが増えたとかいう人がいますが、日本では、この10年で農薬減ったわけですからこれらの病気も減っていないと話が合いません。
韓国は横ばい、中国は増加しています。病気もこれに比例しているのでしょうか?
中国が急激に伸びているのは、農業近代化によって農薬使用量も増えているものと考えられます。
単純にすべての農薬の重さの変化だけではなにもいえないと思います。
どの農薬の増減によって病気が増減したというデータがないことには、
なんともいえませんね。
とここまで書いて、農薬工業会のサイトをみたら、ふたつのグラフとも
「面積当たりの有効成分換算農薬使用量」と書いてありました。
こちらです。
引用するのであれば、ちゃんと単位の意味内容もしっかりと引用してもらいたいものです。
農薬全体の重量と成分だけの重量の関係
水稲にも使える殺虫剤トレボン粉剤DLの成分%は、0.5% ↓↓↓
その他成分は、99.5% 、鉱物性微粉等要するに石の粉です。粘土みたいな。
これは粉剤DLの例ですが、田んぼの除草剤は粒剤が多く、成分量%も10%以下のものが多い。
したがって、この粉剤を、10アールあたり、3キログラム散布すると、
ご本尊の成分量は、3キログラム×0.05%=1.5グラム です。
残りの、2,998.5グラムは、鉱物性微粉等、要するに石の粉です。
水田の除草剤をなくしてしまうとどーなるか
今でも、農村地域に行くと、腰を中心に半分に折れ曲がったような体形の年配女性を
見かけることがあります。
どうして、あの体形になったかというと、
田んぼの草取り、いわゆる「田の草取り」という
夏の炎天下での長時間、田んぼに入って、這いつくばって、
両手で草を取っていたからだ、
といわれています。
田んぼの除草剤が普及するようになって、
農家の嫁は、あの過酷な労働「田の草取り」から解放されて、
あの体形の女性が格段に減った、といわれています。
田植え前後の1~2回の除草剤散布で、
「田の草取り」から女性を解放したのが水田除草剤です。
だから、水田の除草剤をなくしてしまうと、
もう一度、誰かが「田の草取り」をやる必要が出てきます。
各地の最低賃金が時給800円程度のこの時代に、
1000円だしたら、「田の草取り」やってくれる人いるでしょうか?
それとも、水稲農家の嫁として、事実上ボランティアのような形で、
また「田の草取り」をやれ、というのでしょうか。
そうすれば、農薬の使用量としての重さの数字は減るでしょう。
このことを世の中全体で議論して、
社会的合意が形成されれば、どちらの側をとるのも、
民主主義というのかもしれませんね。
10アール(1,000平方メートル)あたり、2,000円から3,000円程度の
金額で、あの「田の草取り」がなくなっていたのです。
10アール(1,000平方メートル)あたり、何時間かければ、
「田の草取り」が完了となるのか、いまここに数字はありませんが、
調べれば出てくるでしょう。
昔の、稲づくりで一番時間のかかるのが「田の草取り」ですから、
きっと調べた数字があるはずです。
こちらの数字も農薬工業会のサイトに出ていました。
田の草取りは50時間だったのが、水田除草剤の出現によって、
2時間程度になった、と。
なぜ、アメリカやヨーロッパでは農薬使用量が少ないのか
まず、
ヨーロッパには田んぼがない。だから重たい田んぼの農薬は使わない。
成分換算なら、さらに細かい計算必要ですが・・
高緯度のため、他の作物でも病害虫が少ないので
農薬使用量が少ない。
イギリス発のガーデニング、
日本でやろうとしてもバラだと黒星病やうどんこ病、アブラムシ対策などで
思うようにいきません。
日本でできるのは、比較的冷涼な北海道や長野県くらいだと、どこかの本で読みました。
アメリカの農薬使用量が少ないのは、トウモロコシ、大豆、綿、小麦、ジャガイモなどの作物が多いためです。
カリフォルニア米など、米つくりもしていますが、これら作物に比べれば面積としてはわずかでしょう。
水稲、りんごやいちご、など農薬使用量の多い作物が少ないからと
みられます。
オランダは園芸作物多いので農薬も多いと思います。
私自身、農薬会社で長く営業の仕事やってましたから
感覚的にわかります。
日本では、綿はないけど、トウモロコシ、大豆、小麦、ジャガイモなどの作物はりんごやイチゴに比べたら農薬使いません。
農薬会社の営業マンとして、労力使って行く畑じゃない。面積同じなら。
病害虫の種類数少なく、程度も軽いです。
北海道には小麦やジャガイモありますが、やはり回数は少ない。
けど、面積がでかいので、農薬はたくさん売れます。
単位面積当たりでは少ない。
「長野県の農作物病害虫・雑草防除基準」から作物ごとの農薬をザックリ調べる
いま、手元に長野県の農作物病害虫・雑草防除基準という本があります。
A4版で、650ページほどある厚い本です。字ばっかの。
この本には、長野県として、各作物病害虫ごとに使うとしたら、この農薬、と
ひとつの基準を決めて具体的農薬名を載せています。
雑草を除く病害虫対策として
りんごの21ページに対して、
トウモロコシは2ページ、大豆は4ページ、麦類は2ページ、ジャガイモは3ページだけです。
いちごは8ページ、長野県はいちご栽培面積は多くありませんがそれでも8ページもあります。
いちご栽培の盛んな栃木県版は、ページ数もっと多いかもしれませんね。栃木はB5版です。
水稲は、33ページです。
除草剤の項目では全体105ページのうち 水稲が39ページと40%近くを占めます。
試験研究機関でも、長野県の場合、水稲等は農業試験場、
果樹は果樹試験場(りんごとぶどうなど)、南信農業試験場(梨と柿)、
野菜と花は野菜花き試験場で試験研究しています。
トウモコロコシ、大豆、小麦、ジャガイモの専門試験場は長野にはなく、
農業試験場や野菜花き試験場でいわば片手間に
研究しているわけです。専門の研究員もいません。
北海道に行けば、ジャガイモや小麦の先生もおられます。
このように、地域により作物が異なるため、売れる農薬も異なります。
北海道と長野県で売れる農薬の種類もずいぶんと違います。
そういう地域性、国柄を無視して、すべての農薬使用量を重さで計って
多い少ない論じることにどれだけの意味があるのでしょうか?
政府や農薬会社の陰謀論
「巨大な世界的農薬メーカーと政府ぐるみでの利害関係がある」という
政府や農薬会社の陰謀論について考えてみましょう。
政府高官や農薬会社の人間だけが無農薬の作物を食べれるわけではありません。
政府高官や農薬会社の人間も農薬のついた作物を食べることが前提である。
このことは、つぎのような事柄とは、本質的に違うと思う。
アメリカが自国では戦争せず、他国で戦争して商売にしたり、
爆撃の支持を出したり、戦争を仕掛けることを決定する人たちは
決して戦場には行かない。
日本では米軍基地を沖縄だけに押し付けて、都会の人は関係ない。恩恵は全員が受ける。
原発も、福島や青森、福井など田舎につくって、都会の人には関係ない。恩恵は全員が受ける。
このように決定権を持つ人は安全地帯にいて、
商売のため危険を承知で決定するという論理が陰謀論です。
でも、農薬の場合、農薬会社の人も政府の人も農薬かかった作物たべざるをえないんですよ。
有機農業でさえ、0.2%しか普及しておらず、ましてや無農薬栽培の作物なんて、
政府高官と農薬会社の社員分だけでもまかないきれませんよ。
だから農薬会社の儲け、利益、商売だけのために、規制緩和をしているとか、
農薬多投農業を推進している、という言い方はあまりにも
偏った見方だと思います。
ネオニコチノイド系農薬規制緩和問題
ネオニコチノイド系農薬の規制が緩和されたからといって、
残留量が急に増えるわけではない。
農家だって、バカじゃない。農薬代、散布労力かかるため、最低限のはず。
確か、ホウレンソウの残留基準が緩和された例を私も知っています。
アドマイヤー粒剤です。
以下は私の想像なので、ホントのところは、わかりません。
農家にとっては、アブラムシ防除対策はアドマイヤー粒剤しかなかったのかもしれません。
他の農薬では効かないアブラムシが出てきたのかもしれません。
この薬しかないとなったので、いままで1回だけの使用を2回にゆるめた結果、
残留基準が13倍の40ppmになったのかも、しれません。
ただ、全部の農家が2回使うわけでもないし、アブラムシが出ないように
株間をあけるなどの対策もして、1回やゼロ回に抑えているかもしれません。
単純に2回使えば、農薬代も手間も2倍になりますから。
これを単純に、農薬使用禁止にすると
アブラムシの被害によりホウレンソウが採れない、
採れても一束5,000円になる、かもしれない、ということです。
ネオニコチノイド系農薬をなくすとどーなるのか?
ちょうど、私が九州の担当だったころ、
ネオニコチノイド系農薬のアドマイヤー箱粒剤が発売されました。
アドマイヤー箱粒剤発売の前と後とで、どんな違いが起こったのか記憶してます。
私の勤めていた会社では、稲のウンカ防除用に、宮崎県のある農協だけで
1000箱、1000万円分のウンカ用粉剤を
売ってましたが、アドマイヤー箱粒剤発売後はサッパリ売れなくなりました。
一番初めの、折れ線グラフをよく見ると、日本では2000年には16Kg/haなのが、
10年後の2010年には12kg/haぐらいに減ってます。
ネオニコチノイド系農薬が日本に上陸してきたのが、
1990年代半ばなので、
ネオニコチノイド系農薬が増えた代わりに
農薬使用量全体が減った、のではないかと思います。
あるいは、水稲除草剤が3キロから1キロ製剤に変わったのが、
この時期です。成分ごとは計算しないとわかりません。
というのは、私自身つぎのような経験をしているからです。
九州にいたときですから、1993年から1996年の間です。
私の会社では、宮崎県南部のほぼひとつの農協に対し、
稲のウンカ用殺虫剤トレボン粉剤DLを、3㎏×8袋入りで、
約1,000箱売ってました。
ところが、ネオニコチノイド系農薬のアドマイヤー箱粒剤が
出た後は、さっぱり売れなくなってしまったのです。
九州の田んぼには夏になるとウンカという小さい虫が
わんさか飛んできて稲を吸います。
その防除に、夏の田んぼでは、煙幕のような粉剤をふりかけるのです。
それが、アドマイヤー箱粒剤が出てからは、
田植え時に苗箱にパラパラと粒剤をまけば、夏ごろまで不要になって
しまったからです。
どのくらい減ったのか計算してみると以下のとおりです。
ウンカ類によく効くトレボン粉剤DL ↓↓↓
これを夏の田んぼに振りかける。
ネオニコチノイド系農薬の代表格アドマイヤー1粒剤 ↓↓↓
これは、園芸作物用で、水稲苗箱用にはアドマイヤー箱粒剤があります。
ネオニコチノイド系農薬の出現で農薬量(製剤)が減った 具体的な計算
トレボン粉剤DLは、10アールあたり3㎏を散布します。
一方、アドマイヤー箱粒剤は、苗箱1枚に50gを散布します。
10アール20枚として、20枚×50g=1,000g(1㎏)
10アールあたりで、農薬の重さとしては、3分の1に減ります。
散布時の労力については、つぎのとおりです。
トレボン粉剤DLは、夏の暑い時期にマスクや防除着を着て、
煙幕のような粉剤を田んぼに散布します。
アドマイヤー箱粒剤は、田植え時に苗箱に50g散布するだけです。
田植え時なので、それほど暑くないし、煙幕のような状態にもなりません。
農家にとっては、楽でしょう。
トレボン粉剤DLは、ひと箱が3㎏×8袋入りで、1,000箱売れてましたから、
3×8×1,000=24,000(24トン)の投下量です。800ヘクタール分です。
一方、アドマイヤー箱粒剤は、8トンで済みます。
一メーカーの私でさえ、このとおりですから、
複数メーカーを扱う農協や農薬問屋から見れば明らかな変化として
覚えている人も多いと思います。
物流だって、3分の1に減れば、トラック業界にも影響あったくらい
かもしれません。
ただし、成分換算では次のようになります。
トレボン粉剤DL 24トン×0.5=120kg
アドマイヤー箱粒剤 8トン×2%=160Kg
製剤では3分の1になっても、成分換算だと1.3倍になりますね。
成分換算で全体が減っているのは、水稲除草剤が減ったせいかもしれませんね。
農家にとっては、暑いさなかにマスクや防除着を着て田んぼで作業しなくても、
田植えの時に苗箱にアドマイヤー箱粒剤をパラパラと散布すれば済みますので
楽で画期的です。
ネオニコチノイド系農薬の代表、アドマイヤーを販売禁止にすると、
苗箱処理のウンカ防除ができなくなり、
夏の暑い時期にマスクや防除着を着て、
田んぼの中の煙幕のような粉剤を
再び使う必要が出てきます。
1回だけじゃないので、農薬全体量も増える!! でしょう。
それを、アカトンボのためとかミツバチのためとか、
あるいは人間にも悪影響あるとかの
情報もあるかもしれませんが、
その情報の信用度も確かめずに禁止するとなると
また暑いさなかでの、
煙幕のような粉剤散布を農家の人たちに強いることになります。
だから、田んぼのないヨーロッパが禁止しようが、
日本には日本の事情があるのです。
たとえば、日本でバナナや綿の農薬使用禁止といわれても
ほとんど影響ないでしょうが、田んぼの薬、簡単に禁止するわけにはまいりません。
それらのデータの出どころや、データの録り方などよく見ないと
一方的な主張だけに引っ張られる可能性があります。
とんでもない量の農薬を実験動物に食べさせて害があったとか
いう例もありました。
塩だって、アルコールだって、適量なら無害なのに、
過剰摂取すると害となる、そんな物質は山ほどあります。
私も、ネオニコチノイド系農薬のアカトンボ問題調べたことありますが、
一番影響の強いのはネオニコチノイド系農薬ではなく、別の種類の農薬でした。
ネオニコチノイド系農薬といってもいろんな種類があり、それぞれ効く害虫も異なるケースが
ままあります。だから、ミツバチや人への影響も、ネオニコチノイド系農薬全体なのか、
そのうちの一種だけなのかも見極めなければなりません。
日本では、ネオニコチノイド系農薬は7種類ほどあり、
その全部が、ミツバチなどに影響しているのかも見ていく必要があると思ってます。
このように、農薬については、見たこともないし、使ったことのない人たちが
欧米のおかしなデータだけを信じて好き勝手なことを
言ってる例は多いですね。
農薬のベネフィット、メリット、利点なんて、
ぜんぜんわからないでしょうから、
仕方ないことかもしれません。
たかが一坪程度の、市民農園でキャベツのアオムシは割りばしで取るなんて
言ってる人、ノー天気過ぎます。
嬬恋村の3,000haのキャベツのアオムシどうやって割りばしで取るんでしょう?
虫はまだ見えるけど、黒腐病、軟腐病や菌核病などはどーしたらいいんでしょう。
軟腐病でドロドロに溶けたキャベツ、みんなが同じ値段で買ってくれるんでしょうか?
無農薬キャベツですから、といって。
コナガやアオムシに食われてレース状になったキャベツも食べるとこ3分の1しかなくても
同じ値段で買ってくれるんでしょうか?
そんなキャベツ見たことないから、簡単に無農薬とおっしゃる。
クルマの便利さ、ベネフィットは誰でも知ってるから、
クルマの事故で年間3,000人亡くなっていても、誰もクルマなくせとはいいません。
事故多いからクルマ無くして、明日からは歩いて移動しましょう、健康にもいいし、
とは誰も言いません。
クルマ無くすと長野から東京まで歩いて一週間かかるけど、
騒音も排ガスもないし、事故もなく、けっこうなことばっかり、とは誰も言いません。
でも、農薬無くなってもどーなるのかぜんぜん想像つかないから、
簡単に無農薬だ、オーガニックとかおっしゃる。
原因は、無知による、です。
だからといって、農薬は全く安全安心です、といいたいわけではありません。
なにごとも、ベネフィットとリスクがある、というだけです。
りんご黒星病について
キャベツの写真がないんで、りんごの例です。
黒星病にかかったりんご ↓↓↓
この程度は、軽いほうで、ひどいときは、収穫皆無となります。
こういうりんご、さえ、普通では売ってないから、見たこともないでしょう。
こういうりんごも、みかんも、みんなが 同じ値段で 買ってくれるなら、
農薬少しは減らせるかもしれません。
農協も市場もスーパーもこういうりんご並べて同じ値段で売れるならだれも苦労しません。
農薬の効かないりんご黒星病菌発生 長野県松本地域
りんご黒星病の特効薬が効かない菌が松本地方で発生したことを報じる新聞 ↓↓↓
長野県内で、農薬の効かない「りんご黒星病」の「薬剤耐性菌」が6月に初めて松本地域で発生し、
県内関係者に衝撃が走った。という。
記事によると
青森県では、耐性菌が出る前の2015年は161.7ヘクタールだった被害面積が
2016年には、3210.2ヘクタールに拡大し、
青森県のりんご栽培面積の2万0800ヘクタールの15.4%になったという。
農家は「多発している園地では、出荷量に大きな影響が出ている」と明かす。
「防除にかかる手間や費用が大きく増えている」という。
病気の葉っぱや果実を手で取り除く作業しつつも、主な対策は事実上「農薬散布」しかない。
しかも、新農薬の開発には複数年かかるとも報じている。
無農薬りんごで有名な木村秋則さんも、7年間収穫皆無だったと
著書に書いてます。いまも生産が不安定だといいます。
映画も見ましたが、害虫に食われる映像は出てましたが
病気のことは触れてなかったように記憶してます。
農薬の情報が少なすぎ?
「私達日本国民は、ネオニコチノイド系農薬の危険性についてあまりにもメディアで取り沙汰されないことに疑問を感じられるほど、その情報自体がありません。」
メディアがまともに取り沙汰しないような程度なのかもしれませんね。
危険性ばかりを強調するのでなく、農薬のメリット、ベネフィットについては、
農家に聞いてみればいいでしょう。
なんでそんな私たちが危険と思う農薬をおカネ出して買って、
労力かけて散布するのか、と。
政府やメディアの情報が少ないとばかり言っておらず、
農家に直接聞いてみればいいでしょう。
その程度の取材努力もせずに統計数字や欧米のデータばかりを
信じて一方的な判断をして
情報発信をする、これは、明らかに片手落ちであり害悪と判断します。
要するに不勉強、です。
病気・がんやアレルギーの原因は農薬?
がんの原因は、農薬ではなく、たばこ。
専門サイトみても、がんの原因が農薬なんて文字出てきません。
自閉症・広汎性発達障害の有病率と農薬との関係
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/242962 より引用
A:日本と韓国の農薬使用量が多い。
B:自閉症・広汎性発達障害の有病率は日本と韓国で他の国に比べて高い。
C:自閉症・広汎性発達障害の有病率が高いのは農薬のせいだ。
A,BからCとして、一連のネオニコチノイド系農薬関連の話題からこう結論づけています。
はたして、そうだろうか?
すでに見てきたように、日本と韓国とで農薬使用量が多い原因とみられるのは、
水田の除草剤とみていいでしょう。
ネオニコチノイド系農薬は殺虫剤であって、除草剤ではありません。
有病率と農薬使用量が相関しているからといって、因果関係かどうかまでは
わかりません。
相関関係とは、たまたま偶然のようなものも含まれるからです。
たとえば、1:景気がよくなるとミニスカートが増える、といったハナシです、ホントかどうか知りません。
では、2:ミニスカートが増えたら景気がよくなるか、(原因と結果なのか?)
3:ロングスカートはやらせば、景気悪くなるのか、
4:景気悪くなったら、ロングスカート増えるのか、
2,3,4のデータがそろって、初めて1、が言えるのではないでしょうか。
2、がホントなら、アベノミクスの目標値はミニスカートの普及率で評価すればいいわけです。
相関関係とは、同じようなグラフであっても、必ずしも因果(原因と結果)関係とは限りません。
上のグラフの上の行にあるコメントでは、相関関係がそのまま因果関係だと
述べています。
たとえば、日本ではネオニコチノイド系農薬が普及し始めたのは
1990年代初めからです。このころ普及し始めたのはケータイ電話やインターネットです。
ケータイ電話やインターネットの普及率と自閉症・広汎性発達障害の有病率が
相関関係にあるかもしれません。
ケータイ電話やめれば自閉症なくなるかもしれません。
ケータイ電話の普及により若者の財布事情が厳しくなってスキー人口が減ったという説もあります。
逆相関(反比例)の関係ですが、ケータイ電話やめればスキー人口回復するかといったら、
そう簡単ではなさそうなことは想像つきます。
このように、いろんな事象が相関、逆相関の関係にありますが、
必ずしも因果(原因と結果)関係ではありません。
補強するデータが必要ではないのか?
一番最初に出てきた折れ線グラフでは、日本の農薬使用量が2000年、16Kg/ha
から2010年、12kg/haに減っています。
農薬使用量が多ければ自閉症が増えるというのであれば、
その10年間に自閉症などの病気が減っているハズです。
韓国は、およそ横ばい、中国では、2004年、6kg/haから2010年には、3倍の18kg/haに
増えています。これらの国の病気の変遷も見てみないと何とも言えませんね。
そういったデータも検証しないと、単純にふたつのグラフが似ているからといって、
因果関係と結論づけてはいけません。
日本や韓国で、ある病気が多いとすれば、お米(短粒種)を食べる民俗の特性なのかも、
といったことも考えたほうがいいかもしれません。
そして最後に、・・・・
おすすめの洗剤使えば、
「農薬や大気汚染物質、細菌やウイルスを洗い流す強力な洗浄力がある」とのたまう。
ネオニコチノイド系農薬は、「植物の組織の隅々にまで毒性成分が浸透し、洗っても落ちない農薬としての脅威」と
いっておきながら、最後はこうです。
証拠は、つぎの一文だけです。
大腸菌O-157や緑膿菌・サルモネラ菌・黄色ブドウ球菌・MRSA・腸炎ビブリオの6種については、 スプレー後24時間を経てもまったく増殖しないというエビデンスが得られています(使い方・環境による)。
データもグラフもありません。農薬が落とせる証拠ありません。
この6種は、いずれも細菌(バクテリア)と呼ばれる生物グループです。
さらに小さいウィルスについてもなんの証明も実験結果もありません。
まとめ
農薬大嫌いのサイトについて、検証してみた。
データの使い方がおかしい。
オーガニックな食べ物の購入、情報の積極的な収集を求めていますが、
オーガニックな食べ物なんてほぼありません。
自分の発信している情報は、信用に値するのでしょうか?
不安をあおるだけでおすすめの洗剤を売りたいのか。