【 プチ炎上しました 】農薬の誤解
ある農業関係のfacebookグループで、
農家でないが、農業塾で無農薬栽培を学んでいるという方が
以下の主張をしています。
(※いわゆる意識高い系?)
日本は農薬大国。
世界中の農薬使用量の1番2番は韓国と日本です。
ご存知でしたか?
情報ソースは、たぶんこの当たりのグラフでしょう。
写真のグラフは、
「日本が売られる」国際ジャーナリスト、堤未果著 幻冬舎新書に
載っているものです。
2010年のグラフは、「希望のイチゴ」田中裕司著からの、
丸パクリだとの指摘もある。
全く同じグラフである。↓↓↓
「希望のイチゴ」田中裕司著 110ページ
また、3枚目の写真は、
ネオニコ農薬が自閉症や広汎性発達障害の原因だと
主張する木村ー黒田博士も
まったく同じグラフを用いて、以下のテレビ番組で説明している。
「TBS報道特集 ネオニコ系農薬 人への影響は」
ネオニコでなく農薬全体の使用量のグラフなのに、
である。
さらに、
同じ番組の中に出てくる山室真澄東大教授も
同じソースとみられる話を自著で引用しています。
(グラフなし)
ホントはこうだよ
ところが、元となるFAOのデータでは以下のようになっており、
まったくウソではないにしても、
極めて恣意的な切り取り方なのがわかります。
◆2010年
1位:トリニダードトバゴ:43㎏
日本11位:12㎏
韓国12位:12㎏
◆2016年
1位:モルディブ 50㎏
韓国14位:13㎏
日本16位:12㎏
要するに、農薬嫌いギョーカイの人たちは、
自分の信仰に合うデータを、
その元まで確かめもせずに、
引用して、流布しています。
こういうのをミスリードいうのでしょう。
国際ジャーナリスト、医学博士、東大教授らが
そろってこういう話を広めていては、
信じる人も多くなるのはわかります。
おそらく、
農業塾の先生方や生徒さんも、
その被害者といっていいでしょう。
仮に、韓国、日本が1位、2位だっととしても、
単位面積当たりの成分の重さを合計して、
何の意味があるのでしょう?
これは次回にします。
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◆筆者の資格等
・農薬会社で30年以上勤務
・毒物劇物取扱責任者
・長野県農薬管理指導士 4月1日から
・農業高校教員免許
・農業改良普及員
・農学士
・調理師
・6次産業化プロデューサー