【TBS報道特集】「ネオニコ系農薬 人への影響は」を見て その4 ネオニコ使わないJA佐渡の例
●結論から先に ネオニコさえなくなれば、万々歳、ではない
番組の最後に、
新潟県のJA佐渡の例が出てきます。
ネオニコ系農薬をやめて、
既存の慣行栽培より農薬を50%減らして
お米を作っています。
トキが帰ってきて、
えさとなるドジョウやカワニナが増え、
ホタルやトンボも増えて、
日本の懐かしい原風景がよみがえったらいいな。
情緒的には何も反対する理由はありません。
ところが、
JA佐渡のHPを見るとネオニコ系農薬を
使わないだけで、50%減とはいえ、
依然としてほかの農薬を
使っており、
それが、どんな問題を引き起こすのか起こさないかは、
誰にもわかりません。
ネオニコ系農薬だって、発売当初は、
何も問題ないハズだった。
無農薬にすると起きるかもしれないこと
農薬ばかりでなく、
田んぼの側溝をコンクリート化したため、
ホタルが減ったという話もききます。
逆に、日本住血吸虫という寄生虫はミヤイリガイという貝を
中間宿主としているため、田んぼの側溝をコンクリートにして、
PCPという農薬と同じ成分の殺貝剤を使って、
この貝を少なくして、寄生虫を減らしたという経緯がある。
私が子供のころ、学校でも、
回虫検査やギョウチュウ検査があったが、
いまは衛生環境もよくなり、
そんな検査もたぶんされてないでしょう。
ほかに、ツツガムシ病を媒介するツツガムシや血を吸うヒルなど、
農薬を含むいろんな要因で、
ほぼ絶滅してしまったような、
あまり増えてほしくない虫たちも帰ってくる可能性が
あります。
増えてほしい野鳥や昆虫ばかり増えて
農家も楽になり、
安全でおいしいおコメが
たくさん取れて高く売れる、となれば
いいけど、
増えんでもいい虫たちや、
そういえばコウモリも昔に
比べれば減っているので、
帰ってくるかもしれませんね。
コロナウィルスはコウモリ由来といいますね。
すでに、ヨーロッパでは、ネオニコの代わりに合成ピレスロイド使って、
環境問題が悪化したという例も出ています。
学者は規制をというが
JA佐渡の例がうまくいけば、
学者の希望通りにネオニコ系農薬の規制をしなくても、
ネオニコ系農薬が売れなくなってしまうので、
ネオニコ系農薬の問題だけは解決します。
ただ、佐渡の場合は、
稲の害虫であるウンカ類(セミの小さいの)が
ほとんど問題にならない地域なので、
まずまずうまくいっているでしょうが、
九州から西日本の、ウンカ類がたくさん飛んでくる地域では、
佐渡と同じやり方ではたぶん通用しないでしょう。
ウンカの写真がないので、仲間のアワフキムシです↓↓↓
いま、コロナ対策で、いろんな規制をしても、
こちらを立てればあちらが立たずという話を
目の当たりにして、
農薬・農業・環境問題も全く同じだと、
感じています。
ただ、農薬については使う農家が人口比で
圧倒的に少ないために、
使わなければ、規制すれば、販売しなければ、
すべて解決するかのように
思う人も多いように見えますが、
すべてが壮大な社会実験だと
私は思っています。
あなたが、農家、農協の組合長、農業試験場の技師、
県知事、環境大臣、厚労大臣、農水大臣、総理大臣
だったら、どう判断しますか?
議論している毎日も、子供たちや、
自分たちも、
お米を食べ続けています。