生き物写真館

長野県山ノ内町、志賀高原、栃木県小山市、海外などで 出会った生き物を中心とした写真館です。 野鳥、昆虫、花、などの写真を撮影情報とともにお伝えします。 撮影テクニックやカメラについても書いてます。

カメラの話

逃げられない昆虫撮影に使える!! 1万円台の初心者用デジタル一眼用レンズ タムロン70-300mm

2017/11/29

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前書き

見つけた昆虫を撮影しようと思って
近づいていくと
逃げられてしまう。

昆虫撮影では、頻繁に起きる
現象です。

これでは、撮影テクニックを
いくら身に着けても
撮影以前のハナシでオシマイです。

「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」
なら、そんな離れた昆虫撮影も可能です。

不思議な言葉ですが、
望遠接写が可能です。

初心者用と書いた
理由は単純、このレンズ、
安いから。

1万円台前半です。

初心者の対義語としては、
上級者、プロ用などでしょう。

上級者用、プロ用などは
耐久性、堅牢性などがあり、
値段も非常に高いのがフツーです。

でも、安いからといって、
写らない、というわけではないので、
初心者が試しに買って
昆虫撮影やっぱり向いてない、
と思っても大きな出費でもないし、
子供や孫の運動会などでも
使えるから大丈夫です。

私としては、昆虫撮影については
もう40年近くやってますから
初心者とはいえないかもしれません。

そりゃー、写真の関係で
おカネいただいたこともありますので
プロかもしれませんが、
とても、それだけで、生活できるほど
ではありません。

かといって、
コンテストで何回も
賞をとっているというほどの
上級者でもありません。

そんな私が

おすすめします。

「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」です。

 

その前に、
昆虫撮影を理解するための用語

撮影倍率と撮影距離とについて、
お話しします。

まずは、レンズの仕様表をご覧ください。

「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」仕様表

モデル名 A17
焦点距離 70-300mm
明るさ F/4-5.6
画角(対角) 34°21'-8°15'
レンズ構成 9群3枚
最短撮影距離 1.5m(マクロ時0.95m f=300mm時
最大撮影倍率 1:3.9(マクロ時1:2 f=300mm時
フィルター径 62mm
全長 116.5mm
最大径 76.6mm
質量 458g※
レンズフード DA17

撮影倍率と撮影距離

「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」
の仕様表によると、

ズームをいっぱい延ばした300mmのとき
撮影距離0.95mで、1/2倍で写る
ということです。

つまり、95センチメートル離れたところで
撮影すると
2センチの昆虫が
35mmフィルムには、
1センチの大きさに写るという
意味です。

ただ、この場合95センチというのは
昔のフィルムカメラでいうフィルム面のある位置
デジタル一眼でいえばイメージセンサー
からの距離なので、
おおむね
液晶画面の位置からの
距離です。

正確さには欠けるが
もっと簡単に言ってしまえば

要するに顔から虫までの距離です。

決してフード先端やレンズ先端
からの距離ではありません。

 

なので、300mm側に一番延ばした
レンズ先端からは60センチ
くらいになると思います。
さらにレンズフードの先端からなら、
55センチくらいになるでしょう。

こちら最短撮影距離について
図入りで解説されています。↓↓↓

最短撮影距離について(ソニー)

撮影距離の計算

フードをつけて、ズームをいっぱいに延ばしたところ ↓↓↓

上がタムロン、下がほぼ同性能のシグマ

上がタムロン、下がシグマ

 

「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」
の場合

レンズ全長142.7mm

延ばすと 195mm

ボディ 60mm(キャノンEOS60D)

フード+レンズ+ボディ厚さ= 280mm

950-280=670mm

フード先端からは約67センチとなります。

さきほどの概算では55センチと
計算しましたが、
実際には67センチ離れても1/2倍で
写せることになります。

シグマ 70-300mmとの比較

この「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」を
購入するまでは
ほぼ同じ性能の シグマ 70-300mmを使っていました。

ところが、「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」と
シグマ 70-300mmとを並べてみると
下の写真のようにフードをつけて
目いっぱいズームを延ばしてみると
3センチくらい

「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」のほうが
短いのです。

つまり、それだけ近づかなくて
遠くから昆虫を
撮影できるということです。

 

上がタムロン、下がシグマ ↓↓↓

上がタムロン、下がシグマ

 

さらに、重さでは

「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」のほうが

87gも、軽いのです。

87gの差は、数字的には
それほど感じないかもしれませんが
カメラボティを含めて首にかけて
歩いてみるとはっきりわかります。

楽です。

撮影倍率とは

昆虫撮影においては
撮影倍率が気になるところですが、
最大撮影倍率1/2倍まで、迫れます。

撮影倍率とは、35mmフィルム換算で
1センチのものが、5mmでフィルムに写る、
という意味です。

等倍(1/1)とは、もともと2センチの
昆虫なら2センチでネガ(ポジでも同じ)フィルムに
写るということです。

35mmフィルムの画面サイズは24mm×36mmですから
等倍撮影では、5センチカブト虫は入りきらない。
1/2倍なら2.5センチの大きさに写るということです。

 

35mmというのはロールフィルム自体の
幅のことで写る画面は24mm×36mmという
ことです。

 

身長160センチの人物が
1センチの大きさに写るときは
1/160倍ですから、
1/2倍は、いかに大きく写るか
わかると思います。

大型のアゲハや、中型のタテハチョウ、
小型のチョウ、
中型のトンボくらいなら全然問題ありません。

内容的にはかなり重複しますが、
過去にこんな記事を書いてます。↓↓↓

昆虫撮影の方法について カメラと撮影倍率など タムロンマクロ、TG-4がおすすめ

 

撮れた写真の質はどーなのか?

撮れた写真のできについてですが、
プロ用、上級者用の高いレンズ持ってませんので
比較したことありません。

コンデジでも、高画質を売りにしている
製品がたくさんありますが、
大きなポスター大にプリントして
写真を楽しむ方の割合って
どのくらなのでしょう?

写真の用途として、
私の場合、ブログやSNS、
たまにプリントしてもA4サイズ程度です。

ブログやSNSでも、見られるデバイスの
7割がスマホと言われる時代です。

そりゃー、スマホでも超拡大ばっかして、
見れば、画質はイマイチかもしれませんよ。

自分ではぜんぜん気になりません。

画質を云々いう前に、
ちゃんとピントの合った写真が
撮れているかのほうが重要だと思ってます。

実際の事例を以下でご覧ください。

実際の撮影事例

以下の撮影事例はおおむね以下の
設定で撮影しています。

撮影モードの設定

●ボディはキャノンEOS60D

●レンズはもちろん「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」

●絞り優先オートモード キャノンではAv

フォーカスはマニュアル

特に昆虫撮影では、
オートフォーカスにしておくと、
少し構図が変わるたびに、
レンズがチーチージージー動いて
ピントが決まりません。

なので、ある程度の距離で
昆虫の写る大きさを決めたら
あとは体を前後してピントがあったところで
シャッターボタンを押します。

このボタンで、マニュアルフォーカスか
オートフォーカスを選べます。↓↓↓

タムロン70-300mm

 

●絞りは、そのときに応じて F 5.6~F 9くらいです。

●ISO感度は、オート設定。

●AEB撮影 (ブラケティング撮影)
1回のシャッターで、
露出の違った3枚の写真を自動で撮ることができる。
とはいっても、動きの速い昆虫の場合、
露出(明るさ)が合っていても、
昆虫が画面の端にしか
写ってない、ピン甘、など構図がダメなときも多い。

補正の基準値より、-1/3、±ゼロ、+1/3と
3段階の写真が一度のシャッターで撮れます。
2/3ずつの設定もできます。

とはいえ、基準値を決めておくのは自分なので
経験則で今日の空は+1を基準とする、などと
決めます。

キャノンの公式サイト↓↓↓

露出を自動的に変えて撮る/AEB撮影の設定方法(EOS 60D / 60Da)

手持ちのコンデジ FUJI FINEPIX F1000EXRでも
できる機能ですが、
写真の保存が遅く、つぎの動作ができません。
コンデジの場合は、液晶画面みながら、
明るさを調整できるので、
ほとんど使わない機能です。

●明るいバックの場合は、プラス側に補正しておく

+1なのか、+2なのかは、経験知で判断する。

なにもしないと、
明暗差のある構図では
被写体の昆虫は、
暗く写ったり、明るすぎたりします。

このあたりのことは、
野鳥のルリビタキを対象にした
こちらの記事にも書いています。

こちらです。↓↓↓
カメラはコンデジを使っていますが、
一眼レフでも理論は同じです。↓↓↓

薄型コンデジFUJI FINEPIX F1000EXRで露出補正しながら野鳥を撮る ルリビタキ

●載せている写真は、一切加工はしていません。

写真加工のソフトでいくらでも加工したり、
LAWデータで撮った写真をいじくりまわしたり、
今の時代できますが、
ぜんぜんしていません。

JPEGで撮ってそのまんまです。
軽くするため縮小しているだけです。

 

 

大型のチョウ ミヤマカラスアゲハ オス

山の中の林道を横切る水や
湖の端の砂の上で水を飲んでいるなど
もっぱら山のチョウのイメージです。

でも、このときは、
アスファルトの上にできた
水たまりでゆっくりしてました。

ミヤマカラスアゲハ 2017.6.4 長野県山ノ内町

 

【撮影データ】

被写体 ミヤマカラスアゲハ春オス
被写体大きさ 45~55mm
撮影年月日 2017/6/4
撮影場所 長野県山ノ内町
撮影モード 絞り優先AE
シャッタースピード 1/400
絞り 5.6
露出補正 -1/3
AEB撮影 -1/3
ISO感度 125
焦点距離 300

 

中型のチョウ クジャクチョウ

やっと春の気配が
してきた3月の暖かい日、

クジャクチョウも日向ぼっこです。

私的には秋の高原のチョウのイメージ
ですが、
長い冬をどこで過ごしてきたのか、
ボロボロの翅が過酷な生活を
物語ります。

発泡スチロールのごみの上に
止まっています。
もっといい場所に止まってほしいが、
まずは1枚撮っておきました。

クジャクチョウ 2017.3.30 長野県山ノ内町

 

【撮影データ】

被写体 クジャクチョウ
被写体大きさ 25~30mm
撮影年月日 2017/3/30
撮影場所 長野県山ノ内町
撮影モード 絞り優先AE
シャッタースピード 1/640
絞り 5.6
露出補正 +1/3
AEB撮影 0
ISO感度 100

 

中型のチョウ キタテハ

自分が初めてこのチョウに出会ったのは
秋で落ちた柿の汁を吸っているイメージです。

春に、早春の象徴的なオオイヌノフグリと
一緒に撮れたのは初めてのような
気がする。

キタテハ 2017.4.14 長野県山ノ内町

 

【撮影データ】

被写体 キタテハ
被写体大きさ 25~30mm
撮影年月日 2017/2/4
撮影場所 長野県山ノ内町
撮影モード 絞り優先AE
シャッタースピード 1/500
絞り 5.6
露出補正 1/3
AEB撮影 -1/3
ISO感度 100
焦点距離 300

 

小型のチョウ ヒメウラナミジャノメ

こういうチョウは茶色で地味で
ガだと思っている人、
けっこういます。

でも、黄色のなかに黒と水色の配置された
目玉模様(蛇の目)を見ると
意外と美しくビックリします。

ヒメウラナミジャノメ 2017.6.20 長野県山ノ内町

 

【撮影データ】

被写体 ヒメウラナミジャノメ
被写体大きさ 16~20mm
撮影年月日 2017/2/4
撮影場所 長野県山ノ内町
撮影モード 絞り優先AE
シャッタースピード 1/400
絞り 9
露出補正 0
AEB撮影 0
ISO感度 500
焦点距離 300

 

大型のトンボ アオハダトンボ メス

この種のトンボを見ると
ある事件を思い出します。

それは近縁のハグロトンボを撮ろうと
川の端でもう一歩踏み出したら
そこの土が崩れて頭から
川のなかにダイブしてしまいました。
一眼レフ(キャノンEOSkiss)と
シグマ70-300mmと一緒です。

夏だったし、ケガもなく、
よかったのですが、
ボディもレンズもお釈迦です。

水滴したたるカメラを持ち込んだら
カメラ屋の店長がニコニコして
EOS60Dをすすめてくれました(笑)。

気をつけましょうね!!

アオハダトンボ メス 2017.6.20

 

【撮影データ】

被写体 アオハダトンボ メス
被写体大きさ 55mm
撮影年月日 2017/2/4
撮影場所 長野県山ノ内町
撮影モード 絞り優先AE
シャッタースピード 1/400
絞り 9
露出補正 0
AEB撮影 0
ISO感度 800
焦点距離 300mm

 

大型のトンボ アオハダトンボ メス ストロボ使用

この日は曇っていて
空は暗く、風もあり
高速シャッターが切れません。

ストロボ使ってみました。

絞りはF13です。

アオハダトンボの金属光沢の感じが
うまく出ました。

何が何でも自然光でないと、とは
考えていません。

自然光でブレブレの写真より
ストロボ使ってピシッとした写真のほうが
いいと思っています。

アオハダトンボ メス 2017.6.25 長野県山ノ内町

 

【撮影データ】

被写体 アオハダトンボ メス
被写体大きさ 55mm
撮影年月日 2017/6/25
撮影場所 長野県山ノ内町
撮影モード 絞り優先AE
シャッタースピード 1/60
絞り 13
露出補正 +1/3
AEB撮影 0
ISO感度 400
焦点距離 180mm

 

大型のトンボ ニホンカワトンボ 透明型 オス

カワトンボといえばオレンジ色の翅だと
思っておりました。

透明型はこの時が初めてです。

こういうときも離れて撮れるレンズだと
慌てずに撮影できます。

ニホンカワトンボ 透明型 オス 2017.6.13 長野県山ノ内町

【撮影データ】

被写体 ニホンカワトンボ透明型オス
被写体大きさ 55~60mm
撮影年月日 2017/6/13
撮影場所 長野県山ノ内町
撮影モード 絞り優先AE
シャッタースピード 1/320
絞り 4.5
露出補正 +2/3
AEB撮影 0
ISO感度 125
焦点距離 192mm

 

中型のトンボ ハラビロトンボ

トンボというと細いからだと
素早い動きという印象ですが、
このトンボはずんぐりむっくりな
感じです。

オスは青く別種のようです。

ハラビロトンボ 2017.5.29 長野県山ノ内町

 

【撮影データ】

被写体 ハラビロトンボ メス
被写体大きさ 32mm
撮影年月日 2017/5/29
撮影場所 長野県山ノ内町
撮影モード 絞り優先AE
シャッタースピード 1/400
絞り 9
露出補正 0
AEB撮影 0
ISO感度 320
焦点距離 300mm

 

海外の事例

小型のチョウ アンチムタムラサキシジミ

海岸からジャングルが始まるという
マレーシアボルネオ島のバコ国立公園での
撮影です。

暗いジャングルのなかで、
ストロボ使ったり、使わなかったり
いろいろやってみたけど
ストロボなしの
この写真が一番マシだった。

ISOが3200という数字が、
ジャングルの暗さを物語る。

アンチムタムラサキシジミ 2017.2.17 マレーシア、バコ国立公園

 

【撮影データ】

被写体 アンチムタムラサキシジミ
被写体大きさ 16~17mm
撮影年月日 2017/2/17
撮影場所 長野県山ノ内町
撮影モード 絞り優先AE
シャッタースピード 1/250
絞り 5.6
露出補正 -1
AEB撮影 -1/3
ISO感度 3200
焦点距離 300mm

 

まとめ

●昆虫の望遠接写撮影ができる「タムロン AF 70-300mm F/4-5.6 Di LD Macro 1:2」は
昆虫撮影初心者に最適のレンズです。

●価格は1万円台で前半です。

●シグマの70-300mmよりも、軽くて小さいです。

●野鳥撮影も可能です。

野鳥撮影初心者向けデジタル一眼用レンズ 1万円台のタムロン70-300mm

●昆虫撮影では、マニュアルフォーカスがおすすめです。

 

関連記事と参考リンク

昆虫撮影の方法について カメラと撮影倍率など タムロンマクロ、TG-4がおすすめ

野鳥撮影初心者向けデジタル一眼用レンズ 1万円台のタムロン70-300mm

 

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