【 長野オリンピックの前にあったこと 】2021年3月5日
2021/03/08
「志賀高原岩菅山の2000日」を読んで。
長野県自然保護連盟の粘り強い
岩菅山開発反対運動の結果、
岩菅山は守られた。
このことは、JOCの環境関連のページには何も書いてない。
このとき長野県自然保護連盟は、オリンピック反対ではなく、
岩菅山を保護してこそ、誘致が成功するという、
微妙な立ち位置である。
志賀高原で、数少ないリフトのかかってない山が、
岩菅山です。
いまも、地元の小中学生の遠足対象となっている。標高2295m。
高山しかいないベニヒカゲというチョウも守られた。
昨年夏、確認済み。
本からの引用
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1989年4月22日、この町、山ノ内町でシンポジウムが行なわれた。
題名は「冬季オリンピックと自然保護」
4時間余りの討論では、
それぞれの立場の違いから合意をみることができなかった。という。
・「地主としては岩菅山でやってほしい。
今までこの山を開発せずに守ってきたのは、
この日のためといってよい」
・「子孫のことを考えると岩菅山開発は疑問だ」
・「仮に岩菅山でオリンピックが開催されたとしても、
残った施設の有効利用を誰が保証してくれるのか」
・「このシンポジウムがなければ、
一町民として、自然そして岩菅山の事も考えずに、
ただオリンピックの招致だけに頭が向いてしまうところでした。
この問題を解決しない限り、私はオリンピックがこないと思います。
(中略)今まで町として、何の調査もせずにいたことは、
恥ずかしいと思います。
自然と調和したオリンピック、この問題点を必ずやクリヤーし、
それを世界にアピールして招致を実現したい。
連盟の皆さん、本当にありがとうございました。
今後とも、ご協力ください。」************************************************
密室政治
一方、つぎの3者は、民意を聞かずにどうやら物事を進めていたようです。
・岩菅山に新たなスキーコースを設けて長野にオリンピックを招致する。
・自然保護派の反対にあって、岩菅山開発は断念した。
この大きな決定をしたのは、以下の3人だけで、
密室で決めたようです。
吉村午良長野県知事
塚田佐長野市長
堤義明氏 西武グループオーナー、国土計画社長、全日本スキー連盟会長、JOC初代会長
現地に行けばわかる。
西武プリンスによって、ずたずたに開発された焼額山の
真向いにあるのが、岩菅山だ。
はじめから、堤さんの商売のため「だけ」の
長野オリンピックだった、ようです。
それで、長野オリンピック後、旅館もスキー場も大繁盛したかというと、
かつてない落ち込みを経験した、そうです。
西武、国土に開発されてズタズタになった焼額山。↓↓↓
去年の夏には1日に2回も熊に会った。
熊も住みにくい。
東館山から。
東京オリンピックについて
いま、東京オリンピックもいろいろな意見が出始めていますが、
マスコミも自分の商売のため、中止が言い出せない状況です。
すでに相当なおカネをつかってしまったし、
オリンピックに使うおカネをコロナ対策や、
ほかの事柄につかうべきだ、と。
なかなか、言い出せません。
オリンピック憲章どこ吹く風、
商売ショーバイの風潮で、
福島復興、コロナに打ち勝つ証?
民主主義と密室政治、いまも変わらないテーマです。
読書感想文、何十年ぶりかな?
最後までお読みいただきありがとうございます。
焼額山には昨日も行ってきて、
楽しませていただいてますが、これ以上、
木を伐らんでいいでしょう、という気分です。
焼額山から、無傷の岩菅山を見る。↓↓↓
ゴンドラにはライオンマークがある。
西部、国土が開発した焼額山から。